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マーベル古参の変身宇宙人―【スクラル人 SKRULL】#2

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スクラル人研究家のアメコマー菅野です。前回のクリプトン人は見た目が地球人と変わらないので、いまひとつ宇宙人らしさがなかったのですが、今回ははっきり宇宙人らしい宇宙人です。

 

 (前回の記事)

sfgeneration.hatenablog.com

 

 

スクラル人は、アンドロメダ銀河(彼らの言い方ではスクラル・ギャラクシー)から全宇宙へ版図を広げようとしている種族で、銀河間を短時間で渡る宇宙航行技術や銀河間リアルタイム通信、銀河間エネルギー伝達なども実現する宇宙最高クラスの科学力を持っています。

 

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最大のライバル種族であるクリー人がマゼラン星雲にいるため、天の川銀河のさらに辺境にあるような地球に大規模な軍勢を送ることは少ないのですが、小規模の部隊を各惑星に潜入させてその社会を混乱に陥れ、転覆させる手法については宇宙随一。なぜならば、スクラル人には変身能力があるからです。

 

変身能力で宇宙全体の支配を目論む

 

スクラル人が最初に地球に来たのははるか昔、原始時代にまでさかのぼりますが、それが最初に記録されたのは1962年1月号の『Fantastic Four #2』でした。

 

マーベルコミックス社にとって『Fantastic Four』は、その時期まったくヒーローコミックがなかったマーベルにヒーローものを再出発させた大型タイトルでした。サブマリナーを始めとする過去のヒーロー復活や、ハルクなど他のヒーロー登場の先駆けとなって、「マーベルユニバース」という世界を創り出すきっかけとなった重要なタイトルです。

 

その第2話で早くもファンタスティック・フォーの偽者が現れるのですが、その正体は地球へ潜入したスクラル人が変身したものです。スクラル人は衛星軌道上の母艦から地球を狙い、結成されたばかりのファンタスティック・フォーの評判を失墜させるため偽者を送り込みました。しかし、本物に逆転されて母艦に乗り込まれ、コミックに描かれた地球の怪獣を見せられて驚き、地球から撤退します。

 

しかし、スクラル帝国皇帝・ドレックはあきらめません。『Fantastic Four #18』でファンタスティック・フォー4人の超能力を付加したうえ、目からは麻痺光線、エネルギーはスクラル銀河からビームで無尽蔵供給という超人兵士「スーパースクラル」をつくり出して逆襲。ミスター・ファンタスティックにエネルギー供給を妨害され敗北するものの、スーパースクラルは以後もマーベル宇宙の強者として活躍していきます。

 

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スクラルの歴史の裏に戦争あり

 

スクラル帝国はさらに他の銀河へも侵攻を繰り広げます。『AVENGERS #89-97』(1971-72)では、宇宙戦争「クリー・スクラル・ウォー」が描かれ、それにアベンジャーズキャプテン・マーベルが巻き込まれて、地球人の少年リック・ジョーンズが戦争終結に重要な役割を果たします。

 

『Fantastic Four #204』(1979)から描かれた「スクラル・ザンダー・ウォー」では、横暴なドレック皇帝皇妃ルクルーが射殺し女帝時代が到来しますが、『Fantastic Four #257』(1983)にて、星のエネルギーを喰らう宇宙魔神・ギャラクタスがスクラルの母星に襲来し、母星と女帝たちは消滅。このあと、宇宙の各所にいたスクラルの有力者たちが勝手に次期皇帝を名乗り勢力争いをするという戦国時代に突入します。

 

さらに『AVENGERS ANNUAL #14』(1985)では鉄仮面のスクラル王子・デザンがハイパー・ウェーブ・ボムを使用し、全宇宙のスクラル人が変身能力を失ってしまいました。こんな逆境のなか、『SILVER SURFER Vol.3 #5』(1987)より「第2次クリー・スクラル・ウォー」が勃発、以後同誌『#30』まで、2年以上の戦争が描かれました。

 

そのさなか、有力なスクラル人であるシビルは、スーパースクラルとシルバーサーファーの協力を得て、スーパースクラルだけに残っていた変身能力の遺伝情報とシルバーサーファーのコズミックパワーを注入されたことで、全スクラル人の変身能力を回復させます。スクラル人たちの絶大な支持を得たシビルが女帝となったことで、スクラル帝国は再び一つになり、戦争を終結させるのでした。

 

その後、超人能力を付加したスーパースクラル軍団を大量に地球へ潜入させる「シークレット・インベージョン」(2008)にて地球との大規模戦争となりますが、こちらは邦訳本も出ておりますので興味がある方は読んでいただければと思います。

 

とはいえ戦争だけじゃない!スクラル人の恋物語

 

こうしてみると宇宙戦争ばかりやっている種族に見えますが、スクラル人の物語は戦争だけではありません。『Fantastic Four #37』(1965)ではスクラル人将校と皇帝の娘・アネーレ身分違いの恋が描かれ、スーパースクラルも登場当初のいかにも悪役という位置づけから、スクラル人を守るヒーローに変わっていくなど、スクラル人は幅広いキャラクター性を獲得していきました。

 

『RUNAWAYS Vol.2 #7』(2005)ではランナウェイズにいる異星人の娘・カロライナのところに量産型スーパースクラルであるザビンが婚約者として現れ、カロライナが「わたし女の子が好きなの」と言うので、わざわざ女性に変身してカップルになります(残念ながらその後別れてしまいますが)。

 

また『YOUNG AVENGERS #10』(2006)にて、ヤングアベンジャーズのハルクリング(こちらはウイッカンとの男性同士カップル)が、実はスクラル人のアネーレ姫とクリー人のキャプテン・マーベルの遺児で、敵対する異種族混血かつスクラル王族だと明かされるなど、様々なキャラクターが登場しています。

 

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おわりに

 

これを書いている2019年5月の時点では、地球に潜入しているスクラル人家族を主人公にした『MEET THE SKRULLS』が刊行されています。未来においても、31世紀にスクラル人の少女レプリカ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』「ギャラクティック・ガーディアンズ」に参加していますので、これからもスクラル人はマーベル宇宙で活躍していくことでしょう!

 

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